新卒必見!初任給の手取り額を完全解説 – 額面との違いから計算方法、税金・社会保険料まで

新卒必見!初任給の手取り額を完全解説 - 額面との違いから計算方法、税金・社会保険料まで

新卒必見!初任給の手取り額を完全解説 – 額面との違いから計算方法、税金・社会保険料まで

1. 初任給の「額面」と「手取り」の違いを理解しよう!

「額面」と「手取り」、この二つの言葉の違いをしっかりと理解することが、初任給を正しく把握するための第一歩です。簡単に言うと、「額面」は会社があなたに支払う給与の総額、「手取り」はそこから税金や社会保険料などが差し引かれた後に、実際にあなたの手元に残る金額のことです。

額面金額とは、基本給に残業代や通勤手当、その他福利厚生費などの各種手当を加えた総支給額のことです。求人票に記載されている金額は、通常この「額面」を指しています。「額面」は、会社があなたに対して支払う給与の総額であり、あなたの労働に対する対価の全体像を示しています。

一方、手取り金額とは、額面金額から税金や社会保険料などを差し引いた金額です。実際に銀行口座に振り込まれ、自由に使えるお金が「手取り」です。つまり、「手取り」は、あなたが実際に受け取り、生活費や貯蓄などに充てることができる金額です。

では、具体的にどのようなものが差し引かれるのでしょうか?主な控除項目としては、以下のものが挙げられます。

  • 健康保険料: 病気やケガをした際の医療費負担を軽減するための保険料です。日本では、国民皆保険制度が採用されており、全ての国民が公的医療保険に加入することを義務付けることで、費用の一部を補いあえる体制が整えられています。健康保険料は、会社と従業員が折半で負担するのが一般的です。
  • 厚生年金保険料: 将来の年金受給のために積み立てる保険料です。厚生年金は、会社員や公務員が加入する公的年金制度です。健康保険と同様に、保険料は会社と従業員が折半で負担します。
  • 雇用保険料: 失業したり、育児・介護で働くことが難しい人を対象に失業給付を受けるための保険料です。雇用保険は、労働者が失業した場合などに必要な給付を行い、労働者の生活及び雇用の安定を図ることを目的としています。雇用保険料も、会社と従業員が折半で負担します。金額は業種によって異なる保険料率をもとに算出されます。全体の保険料率から会社負担率を差し引いた自己負担分の一般的な保険料率は給与の0.3%程度です。
  • 所得税: 収入に応じて国に納める税金です。所得税は、個人の所得に対して課される税金で、収入が多いほど税率が高くなる累進課税制度が採用されています。また最近話題になった「103万円の壁」は収入に対し所得税が発生する年収額の境目を示しています。
  • 住民税:1月1日時点で住民票がある自治体に納める税金です。住民税は、都道府県や市区町村に納める地方税で、前年の所得に対して課税されます。そのため、新卒で入社した年の住民税は、基本的に発生しませんが、2年目からは課税されることを覚えておきましょう。

これらの控除項目は、給与から天引きされる形で徴収されます。そのため、額面金額と手取り金額には差が生じるのです。この仕組みを理解しておくことは、将来のライフプランを考える上でも非常に重要です。

2. 初任給の手取り額、実際に計算してみよう!

初任給の手取り額、実際に計算してみよう!

額面と手取りの違いが分かったところで、実際に手取り額を計算してみましょう。ここでは、額面金額が25万円の場合を例に、計算の手順を追っていきます。

計算ステップ

  1. 社会保険料の計算:
    • 健康保険料: 25万円 × 約5% = 12,500円
    • 厚生年金保険料: 25万円 × 約9% = 22,500円
    • 雇用保険料: 25万円 × 約0.3% = 750円
    • 社会保険料合計: 12,500円 + 22,500円 + 750円 = 35,750円
    ※健康保険料と厚生年金保険料の料率は、加入している健康保険組合や、都道府県によって異なります。ここでは、協会けんぽの東京都の令和5年度の料率を参考に計算しています。
    ※雇用保険料率は、一般の事業の場合、労働者負担は0.6%ですが、ここでは初任給の手取り計算のため、一般的な例として0.3%で計算しています。
    ※住民税は働き始めて二年目から発生するため、今回の初任給の計算には含めません。
  2. 所得税の計算:
    • 課税対象額: 25万円 – 35,750円 = 214,250円
    • 所得税額: 214,250円 × 約5% = 約10,712円
    ※所得税の税率は、課税所得金額に応じて異なります。ここでは、簡略化のために5%で計算しています。
    ※実際には、基礎控除や社会保険料控除など、さまざまな控除が適用されます。
  3. 手取り額の計算:
    • 手取り額: 25万円 – 35,750円 – 10,712円 = 約203,538円

このように、額面25万円の場合、手取り額は約20万円となります。ただし、上記の計算はあくまでも目安です。実際の金額は、加入している健康保険組合や、扶養家族の有無、各種手当の金額などによって異なります。

また、前述の通り、住民税は前年の所得に対して課税されるため、新卒1年目は基本的に控除されません。しかし、2年目からは住民税の支払いが発生することを覚えておきましょう。住民税の金額は、前年の所得や居住する自治体によって異なりますが、一般的には所得の約10%程度が目安となります。

3. 要注意!2年目以降の手取り額に影響する税金・社会保険料

手取り額を計算する上で、特に注意すべきなのが税金と社会保険料です。ここでは、それぞれの項目について、もう少し詳しく見ていきましょう。

社会保険料

  • 健康保険: 保険料は、標準報酬月額に基づいて計算されます。標準報酬月額とは、毎年4~6月の給与の平均額を基に算出されるもので、保険料の計算や将来受け取る年金額の計算に使用されます。そのため、入社2年目以降に金額が変動する可能性があるので注意しましょう。

税金

  • 所得税: 収入が多いほど税率が高くなる累進課税制度が採用されています。所得税の計算では、給与収入から給与所得控除や社会保険料控除、基礎控除などの各種控除を差し引いた金額に、所定の税率を掛けて算出します。所得税は、毎月の給与から源泉徴収され、年末調整によって1年間の税額が確定します。そのため昇給が生じた場合、金額が変動するので注意が必要です。
  • 住民税: 前年の所得に対して課税されます。住民税は、「所得割」と「均等割」の二つから構成されています。所得割は前年の所得に応じて課税され、均等割は所得に関わらず一定額が課税されます。住民税は、通常、6月から翌年5月にかけて、毎月の給与から特別徴収(天引き)されるか、納付書で納めます。二年目以降から発生する税金ですので、手取り金額の変動に注意した方がいいでしょう。

これらの税金や社会保険料は、給与額等により金額が変動する可能性があります。特に住民税は2年目以降から発生するので、必ず確認しておきましょう。また、残業代や通勤手当などの各種手当が増えると、それに応じて税金や社会保険料も増加するため、手取り額が変動します。特に、残業が多い月は、額面の増加以上に社会保険料や所得税の控除額が増えるため、手取り額の増加が抑えられることがあります。 このように、給与額から差し引かれる金額は変動するため、2年目の方が1年目より手取り額が減額となる場合があります。その点も考慮し、お金の使い方を計画しましょう。

4. まとめ

初任給の「額面」と「手取り」の違い、そして手取り額の計算方法について解説してきました。額面金額から税金や社会保険料が差し引かれることで、手取り額は額面金額よりも少なくなることを理解できたでしょうか。
特に新卒の皆さん、これから社会人になる方は、初めての給与明細を見て、額面と手取りの差に驚くかもしれません。しかし、この記事で説明したように、税金や社会保険料は、私たちの生活を支えるために必要なものです。健康保険は病気やケガの際の医療費負担を軽減し、厚生年金は老後の生活を支え、雇用保険は失業時の生活を保障してくれます。所得税や住民税は、国や自治体の運営に必要な財源となっています。

手取り額を正確に把握することは、新生活をスムーズにスタートさせるために非常に重要です。この記事を参考に、自身の初任給の手取り額を計算し、計画的な生活設計を立ててみてください。そして、賢くお金を管理し、充実した社会人生活を送りましょう!

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