
公務員を目指す皆さん、履歴書の書き方で悩んでいませんか?どうしたら自分の強みをアピールできるのか、志望動機は何を書けばいいのかなど、様々な不安を抱えている方もいるでしょう。実は公務員というくくりの中には、様々な職種が存在します。そのため公務員の職種によって書き方が大きく変わります。 本記事では、市役所職員、警察官、消防士など公務員の中でも様々な職種に焦点を当て、それぞれの特性に合わせた履歴書の書き方を徹底解説します。この記事を読めば、志望職種に沿った履歴書を作成し、面接に臨めるでしょう。
1. 公務員の種類で履歴書は変わる?職種別書き方講座
公務員と一口に言っても、市役所職員、警察官、消防士など幅広い職種があります。したがって職種ごとに求められる能力や人物像が異なってきます。だから履歴書もそれに合わせて作成する必要があるのです。
【職種別】公務員の履歴書作成のポイント
履歴書を作る際は、まず目指す職種がどのような人物像を求めているのかを理解しましょう。そして自己分析をしっかりと行い、自身の強みや経験をどのようにアピールすれば良いのかを考えましょう。
- 国家公務員国を支える仕事に携わるため、政策立案力や分析力、視野の広さなどをアピールしましょう。一方で、国の政策に関わるには専門的な知見も求められます。論文や研究実績などから専門性の高さも強調しましょう。
- 地方公務員: 地域住民の生活を支える仕事であるため、コミュニケーション能力、協調性、責任感をアピールしましょう。また職業柄、日々膨大な書類を処理する必要があります。事務処理能力についてもアピールすると良いです。
- 警察官・消防士: 治安の維持を担う仕事のため、正義感や判断力、コミュニケーション能力が問われるだけでなく、体力など身体面の強さも求められます。スポーツなど身体能力についてアピールすると強みになります。
2. 職種別!採用担当を惹きつける履歴書の書き方

ここでは、職種別に採用担当者を惹きつける履歴書の書き方を解説します。自己PR、志望動機という選考において重要な二つの項目について、それぞれ例文を交えながら、ポイントを見ていきましょう。
国家公務員の場合
国家公務員は、特定の地域だけでなく、国全体に関わるスケールの大きな仕事です。外交、安全保障、経済、社会保障など、国の根幹をなす制度の企画・立案や運営に携わり、国民全体の利益のために働きます。そのため、過去の職務経験で培った専門性や、社会全体の課題に対する高い意識、大局的な視点などをアピールすることが重要です。
自己PR:
前職のメーカーでは、海外営業担当として、主に東南アジア市場の新規開拓に従事しました。現地の文化や商慣習を深く理解し、現地の政府機関や企業と良好な関係を築きながら、粘り強く交渉を進めることで、前年比150%の売上拡大を達成しました。この経験を通じて、マクロな経済動向を分析する視点と、多様な価値観を持つ相手との利害を調整し、交渉をまとめる能力を養いました。この国際的な交渉力と分析力は、日本の産業競争力を高めるための国際的な制度作りや交渉において、必ずや活かせると確信しております。
志望動機:
日本の優れた技術や製品を海外に展開する中で、国際的なルール形成や経済連携の重要性を肌で感じ、より大きな視点から日本経済の発展に貢献したいという思いから、国家公務員を志望しました。中でも、日本の経済政策の舵取り役を担う貴省の役割に強い魅力を感じております。前職で培った海外市場に関する知見と交渉力を活かし、日本企業が国際市場で公正に競争できる環境の整備や、新たな成長分野の創出に貢献したいです。将来的には、日本の産業が世界で勝ち抜くための通商戦略の立案に携わり、国益の最大化に貢献したいと考えております。
地方公務員の場合
地方公務員の特徴は、各都道府県あるいは市区町村に密着した政策を行い、住民の暮らしを快適にすることです。そのため過去の経験についても、地域との交流を行った経験など、地元や地方に起因した内容を挙げると、地方公務員に活かせるスキルをアピールできます。
自己PR:
大学時代に所属していたボランティアサークルでの経験から、地域住民の方々との関係構築のノウハウを養いました。夏祭りの屋台運営では、子どもから高齢者まで幅広い世代の方々と交流し、地域のニーズを肌で感じることができました。この経験を活かし、地方公務員として住民の方々の声に耳を傾け、地域に密着したより良いサービスを提供できるよう努めます。
志望動機:
私は、生まれ育った〇〇市に貢献したいという強い思いから、地方公務員を志望しました。大学のボランティアサークルで地域の人々とコミュニケーションをとった経験を活かし、幼い頃から親しんできたこの街の魅力をさらに引き出し、住みやすい街づくりに貢献します。貴市役所は、地域活性化に向けた独自の取り組みを積極的に行なっており、私もその一員として、市民の皆様が笑顔で暮らせる街づくりに貢献したいです。
2.3. 警察官・消防士の場合
警察官や消防士は、国民・住民の生命、身体、財産を守るという極めて重要な使命を担う公安職です。どちらの職業も、強靭な体力と精神力、厳しい規律の中で的確に動く判断力、そして何より強い正義感や使命感が求められます。そのため、これまでに培ってきた対人能力やストレス耐性、課題解決能力などを、いかに職務に活かせるかを具体的に示すことが大切です。
自己PR(警察官):
前職の営業職で培った、粘り強い精神力と対話による関係構築能力が私の強みです。担当エリアの顧客開拓では、当初は全く相手にされなくても、諦めずに何度も足を運び、相手の課題に真摯に耳を傾けることで徐々に信頼を得て、最終的に目標を上回る成果を上げることができました。この経験を活かし、住民の方々に親身に寄り添い根気強く話を聞くことで信頼関係を築き、住民の安全を守るという職務を粘り強く全うしたいと考えております。
志望動機(警察官):
私は、住民が安全で平穏な日々を送れる社会の実現に、自らの手で貢献したいという強い思いから警察官を志望しました。前職で地域を回る中で、日々の安全が警察官の方々の見えない努力によって支えられていることを実感し、憧れを抱くようになりました。社会人として培った対話力と精神力を活かし、時には厳しく、時には優しく地域住民と接することで、犯罪を未然に防ぎ、誰もが安心して暮らせる社会作りに貢献したいです。厳しい職務であることは覚悟の上で、正義感と使命感を胸に、全身全霊で職務を遂行する所存です。
自己PR(消防士):
私は、日頃からトレーニングを欠かさず維持してきた体力と、チームで目標を達成する協調性に自信があります。学生時代は野球部に所属し、仲間と声を掛け合い、互いを鼓舞しながら厳しい練習を乗り越えてきました。この経験から、過酷な状況下でも冷静さを失わず、仲間と連携して最大限の力を発揮する術を学びました。この体力と協調性は、一刻を争う災害現場において、仲間と確実に連携し、要救助者の救出という使命を果たす上で必ず活かせると確信しております。
志望動機(消防士):
自らの体をもって命を救うという究極の社会貢献がしたいと考え、消防官を志望いたしました。東日本大震災の際、危険を顧みず人命救助にあたる消防官の姿に感銘を受け、いつか自分も、誰かの希望となれるような存在になりたいと強く思うようになりました。厳しい訓練に耐え抜く覚悟はできております。住民の方々の安全を守るという強い使命感を持ち、チームの一員として自己犠牲の精神で任務を全うするとともに、将来的には救急救命士の資格を取得するなど、常に知識と技術の向上に努め、組織に貢献したいです。
3. 履歴書作成術:専門性をアピールする書き方
履歴書で他の受験者と差をつけるためには、自身の専門性をアピールすることが重要です。ここでは、専門性をアピールするための具体的な書き方を紹介します。
専門性のアピール方法|資格・職歴・自己PR
履歴書の中で専門性をアピールできる項目は、資格・スキル欄、職歴欄、自己PR欄の三つです。それぞれで書くべきことや工夫すべき点を紹介します。
- 資格・スキル欄: 取得した資格やスキルは、応募職種との関連性が高いものから優先的に記載しましょう。PCスキル、簿記、英語資格などはどの職種でも重宝されます。警察官・消防士は車両による移動が多いので、免許について記載すると良いです。
- 職歴欄: 社会人経験の中で正社員として務めた職歴は全て記載し、所属部署と簡単な業務内容を述べましょう。昇進やマネジメント経験についても漏れなく記載します。
- 自己PR欄: 応募職種で活用できる強みをアピールしましょう。国家公務員の場合は社会問題に対する意識の高さや視野の広さ、地方公務員の場合は地域との交流経験、警察官・消防士はスポーツ経験について触れると、職種との関連性をアピールしやすいです。また、自身の強みが志望する職種でどのように活かせるのかを明確に説明することで、採用担当者に響く自己PRを作成することができます。
まとめ
本記事では、公務員のなかでも、国家公務員、地方公務員、警察官、消防士といった職種別に履歴書の書き方を解説しました。履歴書は、あなたの第一印象を左右する重要な書類です。この記事で学んだことを活かし、自信を持って履歴書を作成し、夢の公務員への道を切り開いてください。
さあ、今すぐ履歴書作成に取り掛かりましょう!まずは、この記事で紹介した例文を参考に、自身の経験やスキルを棚卸ししてみましょう。そして、自己PRや志望動機を自身の言葉で表現してみてください。きっと採用担当者の心に響く、魅力的な履歴書が完成するはずです。