安定?やりがい?公務員転職の真実:現役公務員が語るリアルな仕事と生活

32792_安定?やりがい?公務員転職の真実:現役公務員が語るリアルな仕事と生活

安定した仕事に就きたいものの、公務員の実態について不安をおぼえている方は少なくないのではないでしょうか。ニュースでは「公務員離れ」なんて言葉を聞くこともあります。そのような報道を耳にすると、公務員は本当に安定した職業なのか、やりがいをもって働けるのか疑問に思うはずです。 この記事では、そんな疑問を持つあなたに向けて、公務員への転職について、徹底解説します。メリットだけでなく、デメリットやリアルな実情も包み隠さずお伝えすることで、後悔しない選択をサポートします。

1. 公務員転職のメリット:安定、福利厚生、社会貢献

公務員転職を考える上で、安定性、福利厚生、社会貢献は大きな魅力です。それぞれ詳しく見ていきましょう。

1.1. 抜群の安定性:倒産リスクとは無縁の環境

民間企業では、業績悪化による倒産やリストラの不安がつきものです。しかし、公務員には基本的に倒産という概念がなく、雇用は非常に安定しています。もちろん、税金で給料が賄われているため、常に効率性や成果は求められますが、雇用が安定している点は大きなメリットです。 この安定性は、住宅ローンを組んだり、将来設計を立てる上で重要な要素となります。将来への不安を感じている方にとって、公務員の安定性は魅力的に感じるでしょう。

1.2. 充実の福利厚生:ワークライフバランスを実現

公務員の福利厚生は、育児休業制度や介護休業制度、病気休暇など、民間企業と比較しても充実しています。これらの制度を利用することで、ワークライフバランスを実現しやすくなります。

他にも以下のような福利厚生があります。

  • 期末手当・勤勉手当:民間企業のボーナスにあたります。
  • 地域手当:勤務地の物価や生活水準に応じて支給されます。そのため東京や大阪など都心に近いほど高額になります。
  • 住宅手当:自治体によって金額や制度の有無が異なります。主に一人暮らしをしている方が対象になります。
  • 退職手当:退職金にあたるものです。
  • 年末年始休暇:12月29日から1月3日までの計6日間あります。
  • 夏季休暇:基本的に7月から9月の期間中に5日程度取得できます。
  • 特別休暇:結婚や葬儀、出産、育児などのライフステージにかかわる休暇制度です。
  • ボランティア休暇:社会貢献のために報酬を得ないで行う活動に対して年5日まで取得できます。

特に子育てと両立できる環境を求めている方にとって、育児休業制度の充実度は重要なポイントです。育児休業は最長で子どもが三歳になる誕生日の前日まで取得でき、育児休業手当金も支給されます。職場によっては事業所内保育所が設置されている場合もあります。

1.3. 社会貢献の実感:誰かの役に立っていると実感できる

公務員の仕事は、住民の生活を支えるものが多く、社会に貢献しているという実感が得やすいのが特徴です。生活保護の相談に乗ったり、道路や公園の整備を行ったり、地域のイベントを企画したりと、仕事を通じて地域社会に貢献できます。 社会貢献できる仕事に就きたいという思いが強い方にとって、公務員は非常にやりがいのある仕事と言えるでしょう。自分の仕事が誰かの役に立っていると実感できることは、働くうえで大きなモチベーションにつながります。

2. 公務員転職のデメリット:給料、昇進、仕事の自由度

公務員転職のデメリット:給料、昇進、仕事の自由度

安定性や福利厚生が魅力的な公務員ですが、同時にデメリットも存在します。給料、昇進、仕事の自由度について、詳しく見ていきましょう。

2.1. 給料は高くない:年功序列制度の影響

公務員の給料は、民間企業と比較して高いとは言えません。特に、初任給は低い傾向にあります。また、年功序列の傾向が色濃く残っているため、成果を上げてもすぐに給料に反映されるわけではありません。 年収アップを目指している方にとっては、公務員の給料は少し物足りなく感じるかもしれません。国家公務員の平均年収は約680万円(令和4年度)です。地方公務員の場合は、自治体によって異なりますが、平均年収は約660万円程度(令和4年度)です。

2.2. 昇進は遅い:競争率が高い

公務員の昇進は、民間企業と比較して遅い傾向にあります。年功序列制度の影響もあり、実績があってもすぐに昇進できるとは限りません。また、昇任試験の競争率も高く、狭き門となっています。なお昇任試験については、自治体によって設けられていない場合もあります。

社会人経験の中である程度の実績をあげて活躍してきた経験を持つ方にとっては、昇進のスピード感にギャップを感じるかもしれません。しかし、公務員の世界では、経験や知識、人柄などが総合的に評価されます。地道な努力が大切です。

2.3. 仕事の自由度は低い:ルールや前例主義

公務員の仕事は、法律や条例に基づき、決められたルールに従って行う必要があります。そのため、民間企業と比較して、仕事の自由度は低いと言えます。また、前例主義の傾向が強く、新しいことに挑戦しにくいと感じる方もいるかもしれません。 しかし、近年では、公務員も積極的に新しいことに挑戦する姿勢が求められ、公務員の仕事の取り組み方にも少しずつ変化が表れています。地方創生やデジタル化など、様々な分野で革新的な取り組みが行われています。

2.4. 意外と多い転勤:キャリア形成に影響も

特に国家公務員の場合、全国規模での転勤が伴うことがあります。数年に一度、部署や勤務地が変わるため、専門性を深めにくいと感じる方もいるかもしれません。家族がいる場合は、転勤が生活に与える影響も考慮する必要があります。地域に根ざした働き方を希望するなら、地方公務員の方が適しているかもしれません。

3. 現役公務員が語る!リアルな仕事内容とワークライフバランス

ここでは、公務員のリアルな仕事内容とワークライフバランスについてお話します。

3.1. 多岐にわたる仕事内容:部署によって大きく異なる

公務員の仕事内容は、配属される部署や省庁によって大きく異なります。例えば、税務署では税金の徴収や申告相談、福祉事務所では生活保護の相談や支援、教育委員会では学校運営や教員のサポートなどを行います。ある程度の専門性を求められる仕事が多いです。

3.2. ワークライフバランス:残業時間や休暇取得状況

公務員のワークライフバランスは、部署や時期によって異なります。繁忙期には残業が多くなることもありますが、基本的には定時で帰宅できることが多いです。 なお近年は、働き方改革が推奨される傾向にあり、国民の模範となるため公務員の働き方も見直されつつあります。2025年4月からは国家公務員と地方公務員ともに週休3日制が導入されました。今後もリモートワークの推進をはじめ、各々のライフスタイルに最適な働き方の実現に向けた努力がなされていきます。

3.3. 公務員になって良かったこと、大変なこと

良かったこと

公務員になって良かったこととしてよく言われることとしては、社会に貢献できていると実感できることです。住民の方から感謝の言葉をいただいたり、自分が携わった事業が形になったりするのを目にする機会が多く、そういった経験はやりがいにつながります。

大変なこと

大変なことは、ルールや手続きが煩雑なことです。柔軟な対応が求められる場面でも、法律や条例に縛られることがあります。また、住民からのクレーム対応も、精神的に負担になることがあります。

3.4. 民間企業経験者だからこそ活かせるスキル

民間企業での経験は、公務員の仕事でも必ず活かせます。例えば、営業職で培ったコミュニケーション能力や、プロジェクトマネージャーとして培ったマネジメント能力は、公務員の世界でも重宝されます。 また民間企業での経験がある方の最大の強みは、ビジネス的な視点を持っている点です。社会のトレンドや事業の採算などの経理面など、数値に対する感覚に優れているからこそ、公務員の中からは出にくい発想や視点を持つことが期待されます。

まとめ

公務員への転職は、安定や社会貢献といった魅力がある一方で、給与や昇進、仕事の自由度といったデメリットも存在します。

この記事では、現役公務員の視点から、公務員転職のメリット・デメリットを詳細に解説し、仕事内容、ワークライフバランスなど、リアルな情報を提供しました。公務員へ転職する選択は、決して良いことばかりではありません。しかし、あなたの価値観やライフスタイルに合っていれば、あなたにとって最適な選択肢となるでしょう。この記事が、あなたのキャリアについて深く考えるきっかけとなり、後悔しない選択をするための一助となれば幸いです。

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